ライフネット生命設立者→その後立命館アジア太平洋大学学長 出口治明さんがまとめた本。
ビジネス書グランプリ2020年で第6位に選ばれてたので読んでみようと思う。


要約・ポイント

ヘーゲルに影響を受けた近代の哲学者達について(19世紀)

キルケゴール・・・人は自らの「主体的な真理」を求めて生きるべきである。優先されるべきは全体的な進歩ではないと主張=
現代の実存主義につながる。名著に「死に至る病」がある。主体的実存を得るために行き着く先は神なのだ、「宗教的実存」なのだと考えた。

マルクス・・・社会は絶対精神を実現するために進化を続けていくと考えたヘーゲルを強く支持。ただ「絶対精神」はわかりにくいので「生産力」に置き換え。歴史を動かすのは具体的な生産力だという思想を確立(=唯物史観)

その後生産力→労働力という視点から資本主義の貧富格差問題点を指摘。解決策として社会主義→共産主義の世界が理想と説き、現代の共産主義の先駆けとなる。名著、『資本論』、『共産主義宣言(友人のエンゲルス共著)』

二ーチェ・・・キルケゴールの実存主義をベースにするが、主体的実存を得るために行き着くのは「神ではない」と主張。「神は死んだ」、世界に絶対的なものは何もないが、それを悟りながらも強く生きる人間「=超人」になりたいと考えた。キリスト教は怨恨、憎悪、嫉妬などの感情が成立過程にあると考え批判。

フロイト・・・神経病理学者だからいわゆる哲学者ではないが、「無意識」を発見したことで人類に多大な知的貢献を行う。夢判断による患者の精神分析を行ったところから無意識が人間を動かしていると考えた。この無意識とはリビドー(性的衝動)であると述べ話題になった。晩年は更に発展させ性の本能(エロス)と死の本能(タナトス)が無意識を支配すると指摘。

フロイトと一緒に研究活動し、後に優れた業績を残したのがユングとアドラーがいる。

ユング・・・人間の無意識の深層には個人の経験を越えた先天的な集合的意識があると考え分析心理学という派閥ができる。

アドラー・・・独自の個人心理学(アドラー心理学)を確立。現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立させた実績が評価されている。直近の日本だと「嫌われる勇気」で有名。

感想

嫌われる勇気は哲学というよりも個人の心理療法視点なのね。ただニーチェの流れがあるから哲学の流れも時代的にマッチしたということか。面白い。

マルクスの考えた共産主義という考え方は今でこそ日本にいると胡散臭く感じるけど、かといって資本主義がいいかというと貧富の差の開きや労働者の過労死、ストレスによる自殺とか現在の問題をみると完成形ではない・・・ベーシックインカムに期待!!

ニーチェ、フロイスの登場で過去数千年続いた宗教的な神にすがる生き方以外の選択肢が人々に浸透していったと思うとすごいこと。

『哲学と宗教全史』は今回でおしまい!!正直こんな長くなると思ってなかった・・・次から書き方考えようw

スプラトゥーンだと・・・

『哲学と宗教全史』で綴られた人類の思想の変換はスプラトゥーン2のブキ環境の推移と似ている。
たまたまだが、今の環境(発売されてから3年たった状況)はこの本で書かれている最終章と被る部分がある。

①偉人や実力者が思想が体系化(大会実力者やブログ勢などのブキ考察)

②宗教や哲学が確立し、広く伝搬(有名配信者の存在や大会結果)

③戦争や疫病を通し価値観が変化(ブキのアプデが該当)

④再度思想が分化(アプデによる環境変化で①~③を繰り返す。)

⑤ ①~④を繰り返す内に絶対的ものが存在せず個人が信じるものが重要だという思想が出現。(X上位勢でもない限りある程度の勝率が確認できてる好きなブキ持てばエエやんと悟る。)

前の章、次の章の感想は下記からどうぞ!!