ライフネット生命設立者→その後立命館アジア太平洋大学学長 出口治明さんがまとめた本。
ビジネス書グランプリ2020年で第6位に選ばれてたので読んでみようと思う。
要約・ポイント
近代から現代へ。(18世紀~19世紀)世界史の大きな転換期に登場した哲学者たちについて
トマスペイン・・・「コモン・センス」という小論文を執筆。君主制は王権に都合がいい仕組みであり、アメリカ人の常識ではない、人間は生まれつき平等だから、アメリカは自身を持って主張を正当化し、イングランドから独立しようと主張。アメリカ独立を後押し。
エドモンド・バーク・・・フランス革命を厳しく批判。フランス革命のように過激に変革を実行するのでなく、少しずつ社会をよくするのが最善とする。この主張をおこなった「フランス革命の省察」で初めて保守主義という言葉が使用されたことで保守主義の父と呼ばれる。
カント・・・イングランドの経験論と大陸合理論を統合。
人間の認識の方法は「感性」と「悟性(知性)」の2つが一つになって世界を認識するのだと考える。
よってその人の領域でしか対象を見ていないのでその対象が本当の姿なのか保証されない。
人は真の対象そのものでなく、それは認識の枠が捉えた現象であるとして(近年の大脳生理学が解明した研究成果と同じ。)
自然法則(経験論)と道徳法則(大陸合理論・観念論)があり、人は勉強し学習することでこの2つの法則の真実に近づくことができると説く。
ヘーゲル・・・すべての有限で永遠不変でない存在はテーゼ(正)・アンチテーゼ(反)によって構成され、対立し運動を起こしながら新たな存在になる(アウフヘーベン)ことを繰り返しているという弁証法を確立。
人間の精神活動もこのプロセスをとり、最後には精神の最高段階(絶対精神)に達するとした。
そのほか
ジェレミ・ベンサム・・・快楽にスコアをつけ、そのスコアの総合点が高いことが、最大多数の最大幸福であるというテーゼを提唱。(一つの集団や社会の総合点いなるとした)
ジョン・スチュアート・ミル・・・ベンサムの考える快楽について、量的な視点だけでなく、質的な差異も考慮すべきと主張。それを「満足した豚よりも不満を抱えた人間の方がよく、満足した愚か者よりも不満を抱えたソクラテスの方がよい」と表現。(名言。)
ショーペンハウアー・・・歴史が進み、物質社会は進歩したかもしれないが、人間がやってきたことは殺し合いばかりでヘーゲルの主張するように歴史が絶対精神を亭に入れて自由になるプロセスとはとても思えないと批判。
感想
この辺から大分近代的で我々の生活でもよく聞くような言葉や考え方が増えてきてるやな。
テーゼとアンチテーゼは知ってたけど結果アウフヘーベンになるという流れがあることは知らなかった。
スプラトゥーンだと・・・
スプラでも色々なシーンでテーゼとアンチテーゼがあるけど要は両方のいいとこどりしながらアウフヘーベン(更なる高み)を目指すのが一番いいってことかな。
ある主張(テーマ)に対しては必ず対立するような主張(アンチテーゼ)が存在するがアンチテーゼが出てきた時にテーゼ側は攻撃されていると思わず冷静に受け止め、更に改良を重ねていく謙虚さが必要ということ。
リスキルする⇔しない
カウンターあさりすぐ持つ⇔持たない
ホコ即割る⇔割らない
ヤグラ即乗る⇔乗らない
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